大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和54(あ)1428 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人助川裕の上告趣意のうち、違憲をいう点は、第一審判決は、所論指摘の事

実を犯行に至る経緯の一環として記載したものにすぎず、いわゆる余罪として認定

した趣旨でないことが判文上明らかであり、判例(最高裁昭和二九年(あ)第一〇

五六号同三三年五月二八日大法廷判決・刑集一二巻八号一七一八頁)違反をいう点

は、第一審判決中所論指摘の部分は、各犯罪行為に関する共謀の内容ではなく、そ

の共謀が形成されるまでの一過程における被告人らの心的状態を示したものに他な

らないとした原判断は相当であり、判例(最高裁昭和二三年(れ)第一〇四九号同

二五年一一月一五日大法廷判決・刑集四巻一一号二二五七頁)違反をいう点は、右

判例は所論のような趣旨までをも示したものではないから、所論はいずれも前提を

欠き、その余は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

被告人Aの上告趣意は、単なる法令違反の主張であり、被告人Bの上告趣意は、

事実誤認の主張であり、被告人Cの上告趣意は、憲法二八条違反をいう点もあるが、

実質は本件所為の正当性についての単なる法令違反の主張であつて、いずれも適法

な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により、裁判官

全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

昭和五五年一月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 中 村 治 朗

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

- 1 -

裁判官 本 山 亨

裁判官 戸 田 弘

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!